「森林生態系保護地域」設定へ 綾照葉樹林

 2007年10月31日、宮崎市の宮崎森林管理署で開かれた第2回森林生態系保護地域設定委員会(座長・岩本俊孝宮崎大教授、11人)で、設定エリアや今後の管理、利用方針などを盛り込んだ「綾森林生態系保護地域計画案」を原案通り承認されました。近く九州森林管理局に答申します。
 九州森林管理局や県など官民5者が綾町で進める「綾川流域照葉樹林帯保護・復元計画(綾の照葉樹林プロジェクト)」の中核となる最も原生的な植生が残る1167ヘクタールが、「森林生態系保護地域」に設定される見通しです。国が定める保護林の最も厳格な基準で、原則的に自然のまま森林生態系が維持される。全国で29カ所目、九州では5カ所目となります。

綾の森、国の保護地域に 世界遺産登録へ期待

 国内最大規模の照葉樹林である綾町の「綾の森」(約2500ヘクタール)で、原生林に覆われた1167ヘクタールが2008年3月下旬、林野庁の森林生態系保護地域に指定され、世界自然遺産への登録を目指す地元関係者が期待を強めている。
 国の保護林で最も厳しい規制対象に指定されたことで、学術研究や災害時以外は人の手を加えられなくなる。世界自然遺産の知床(北海道)、白神山地(青森県、秋田県)や屋久島(鹿児島県)なども同保護地域に指定されており、綾の森の地元からは「前提条件を一つクリアした」との声も上がる。
 絶滅危惧(きぐ)種のクマタカが上空を舞い、南限のニホンカモシカが生息する綾の森は、2003年の世界自然遺産候補地検討会で最終選考まで残ったが、原生林の規模が小さかったことがネックとなり落選。以来、九州森林管理局や市民が一体となってスギ、ヒノキの人工林を照葉樹林に復元するプロジェクトを進行させていた。